*部下×雑渡 女性向け 微エロ15禁注意! どろどろに融解される感覚に酔いしれた。 吐息は甘く漂い、辱めを受けているという実感と出口の無い快楽に床板へ爪を立てる。突き上げてくる律動に付いて行くことが出来ず、たった一つの目から米神へ粒がこぼれた。口を開けば、出てくるのは意味の無い喘ぎのみ。 「はぁ、ん・・・あ、あぁ・・・」 ふと、あの人の大きな手が覆いかぶさるようにして、私の顔に巻きつけられた包帯を剥ぎ取るように掴んだ。その行為さえも、理性の無い頭では淫らで背徳的な様に思えて、身体は熱を上げるばかり。 「本当に、お前は・・・」 醜いね。と、あの人の低音で深く響くような声が囁いた。胸の奥で熱は燻る。それに浮かされてしまったのか、包帯を捕らえるその手を、自身のがさついた手で縋るように掴み、ゆっくりとした動作で乾いた唇に運び、その掌に音を立てて口付ける。 「私のものだよ」 あの人の言葉一つ一つに肌を粟立たせて、今度はそこに舌を這わせた。卑猥な音を立てて、僅かに舌先に残るを塩味を味わいながら。あの人の行為も言葉も、自身の中に燻る感情も、全てに名前を付けることを放棄した。これは愛じゃない。 *** 「組頭」 それと呼ばれて、その役職が現在の自分の立場であることを理解するのに数秒かかった。何となく違和感を拭えず、自分を呼んだ部下の方を見れば、その顔は目線の真上にあり、そういえば情事の最中だったと意識を取り戻した。 「考え事ですか?まだ余裕がおありのようで」 明らかに怒気の篭った口調で、こちらを見下す。そして乱暴に顎を掴むと噛み付くように唇を合わせ、強引にその歯列を割って口腔を犯した。 弁明することも許されず、性急な動きで内側を支配されていくようで、気を逸らせていたことで落ち着き始めていた体内の熱が再び猛りを取り戻し始める。その熱に誘われるように首に腕を回せば、部下も後頭部を押さえてよりいっそう口付けを深めてくる。 「ん・・・ふ、・・・んん、はっ」 名残惜しそうに唇を離すと互いの間に銀の糸が引き、かさかさにいつも乾いていた唇が嘘のようにそこだけ濡れている。先程の冷たい目などどこかに忘れてきたように、部下は切なげに瞳を潤わせていた。 「もっと集中して、俺だけを見て下さい・・・」 掠れた声は懇願のように震えていた。答えとばかりに、その言葉ごと頭を抱きかかえてやると、ちょうど鎖骨の辺りを強く吸い付かれる。 彼が何に怯えているのか、何を恐れているのか、私は知っていた。 この心も命も、儚いからだ。感じることを拒絶したあの頃から、ただ欲望に縋りついて生きている自身の儚さを、部下は恐れていた。だから彼は強く抱くことで、感情をぶつけることで、私の中で失われたものを取り戻させようといつも必死だった。飾りのような言葉など並べ立てず、いつも私の前では本心しか口にしない。 そんな彼の一生懸命さを受け止めたとしても、身体の置く深くに疼く熱情を受け入れたとしても、きっとこれは、そう。たぶん、愛じゃない。 愛は死よりも強く、 死の恐怖よりも強い ブラウザバックプリーズ |